読んだ本 2021
2021年に読んだ本を読んだ順にまとめます。
線とベタ塗りの陰だけで描かれた、主に若い女性キャラクターの作例、テクニック集。キャラクターイラストの練習にアニメの絵を模写することが多いのですが、全身を描く練習をしづらい難点があるので、その解決を期待して購入しました。デッサンの教科書のような厳格さはありませんが、私のような初心者にはこれくらいがちょうどよいです。しかし、模写の題材には好きな作品を選ぶのが一番なので、あまり開かなくなってしまいました。
UXデザインについて、学術や歴史を踏まえて説明した書籍。昨年読んだ『Web制作者のためのUXデザインをはじめる本』は実践重視だったので、対比が際立ちました。本書は座学向きで、UXデザインをすぐに実践したい人には向いていないかもしれません。個人的には特に定量的なUX評価のための道具の一であるUXメトリクスの話が好きです。他にも、UXデザインの元となった人間中心デザイン(HCD) などの諸概念を知ることができ、勉強になりました。
CS1からCS2レベルの中でも特に基礎的なアルゴリズムを平易な図を交えて解説した書籍。同名のモバイルアプリを基にしているそうです。プログラミング教育の課程を考える材料になるだろうと考えて購入しました。カテゴライズはわかりやすいですが、ことに最初の1、2章で、より後のカテゴリーにある節を参照して書かれている節が多く見られるので、順々に読んで学ぶような使い方には向いていないかもしれません。
ボードゲームのメカニクスの事典。紙で買うと600ページにもなる、とても厚い書籍です。各メカニクスの長所や短所、既存のゲームでの採用例を学べます。特に短所が大きいメカニクスはアンチパターンとして紹介されています。メカニクスに名称が付くことで、ボードゲームデザインについての思考や意思疎通が円滑になりますし、既存のゲームがなぜ面白いのか/面白くないのかを分析する目を鍛えられました。あるゲームでしか見たことがなかったメカニクスや用語が意外にも深い歴史を持っていたという発見もまた面白かったです。(例えば、2015年リリースのPCゲーム『Armello』では特定の目を出すとダイスが「爆発」して増えるのですが、2008年のミニチュアゲーム『Uncharted Seas』に同様のシステムがあるそうです。)メカニクスに注目した書籍でありつつも、メタファー(いわゆるテーマ)の重要性を説いており、自作ボードゲームの方向性について考えさせられました。
コンピュータネットワークの入門書。学生の頃から苦手な分野を復習するために読みました。初学者向けの平易な説明が試みられており、理解しやすかったですし、分量も丁度よかったです。同シリーズの他の書籍も読んでみたいと思いました。
情報セキュリティの入門書。『ネットワークのしくみ』同様、学生の頃からの苦手意識を払拭するために読みました。具体的な攻撃手法と対策を期待していたので、個人的には物足りなく感じましたが、広く浅い平易な解説こそ本シリーズの特長です。詳細が省略されているがゆえに本書だけ読んでも疑問が残る事柄もあるので、ブラウザを開いて調べながら読みましょう。
非エンジニア、特に経営者向けのサーバと情報システムの入門書。シリーズの3冊目です。前2冊の一部と重なる領域を少ないページ数で説明する節を内包しているので、より広く浅い印象を抱きました。エンジニアがわざわざ読むほどの書籍ではありませんが、個人的には非エンジニアへの伝え方を意識できた点は有益でした。このシリーズを読むのは一旦終わりにします。
書名の通り色彩検定3級の公式テキスト。日頃UIデザインやグラフィックデザインなどで取り扱っている色についての体系的な知識を身につけたいと考えて読みました。綺麗で読みやすいです。色について初めて勉強するならば、色彩検定を受検する予定がなくても、下手なデザイン入門書ではなく本書を買うべきだと思います。
可読性が高いコードの書き方を簡潔にまとめた入門書。前にさっと目を通したことがありましたが、きちんと読みたくなったので再読しました。「訳者まえがき」でも述べられているように、網羅的ながら約200ページしかない薄さが最大の特長であり、気軽に読んだり勧めたりできます。口調の馴れ馴れしさ、鬱陶しさが欠点です。
欧文フォントを使用したロゴタイプやタイポグラフィなどが、どのような思考を経てデザインされているかを紹介する書籍。教科書のようなものではなく、多彩なフォントを眺めて楽しめる、雑誌のコラム集かブログのような雰囲気の読み物です。しかしながら、フォントの歴史的な背景(例えば、碑文や銅板印刷に由来するフォントがあり、さらにそれを現代的にアレンジしたフォントもあるという話)は大いに勉強になり、フォントを見る目の解像度が上がりました。
あらゆる人工物のデザインに共通する原則を説いた書籍。今日では当たり前になりつつあるデザインの諸概念を四半世紀前に広めた古典的な名著だそうです。その厚さゆえに読み始めが億劫でしたが、ようやく読了しました。著者が出会った(収集した)デザインの事例の多さに驚きます。デザインと「ヒューマンエラー」の関係についての章が、私にとっては目新しく、勉強になりました。
あとがき
1日5分でもとにかく毎日続けるよう心がけたことで、読書の習慣が形成され始めました。 さらに、数週間前に採用したポモドーロ法によって、1日の読書時間は増加しつつありますが、読書スピードが遅い点が課題として残されています。 ポモドーロ法の継続と、本をより速く読めるようになることを来年の目標にします。