読んだ本 2022
2022年に読んだ本を読んだ順にまとめます。
ボードゲームを出版社から発売するまでの工程を紹介する指南書。ボードゲームデザイナーの職を目指す人に向けた内容でした。テストレポートの雛形や品質チェックリストは、趣味の制作であっても役に立ちそうです。
ブランディングの老舗企業ランドーアソシエイツが自社の手法や事例を紹介する書籍。企業を限定しなければ、似た事例紹介はインターネット上にも多く見つかります。しかし本書は、ある程度の質と量が綺麗にまとまっている点で、手もとに置く価値があると思いました。眺めるのが楽しい本でもあります。
感覚的表現で語られがちなレタースペーシングを論理的に明文化することを目指した入門書。欧文と和文の両方を扱っており、双方の違いを学べました。節の粒度が小さく、後になって途中から見返しても理解しやすいように構成されています。人に薦められる良書でした。
パブリックデザイナーが日本の駅デザインの理想と現実を指摘する評論文。今日では当たり前の統一的なサイン(案内標識)システムが生まれた経緯を読むことができます。同時に、様々な制約によって果たされなかった筆者の理想への遺恨が垣間見えます。まとめの章で述べられていた顧客対象のデザインとパブリックデザインの違いが印象的で、デザインの世界が広がる思いをしました。
安全なウェブアプリケーションの開発に必要な脆弱性やセキュリティの知識を学べる入門書。例のほとんどがPHPで書かれている欠点がありますが、それを差し引いても、この上なくわかりやすい良書だと感じました。
昨年読んだ3級編同様、色について体系的に学べるおすすめの書籍。3級の知識が前提なので合わせて読む必要があります。
色彩検定の1級から3級とは別に、色のユニバーサルデザインを広めるために設けられた「UC級」の公式テキスト。これまで読んだ3級、2級のものと同じくらいの厚さですが、文章は少なめです。
デザインへのフィードバックを、求める側と返す側双方の立場から改善しようとする指南書。前半では、フィードバックを反応、指示、批評の3つに大別したのち、批評こそが有益であること、批評の質を高める必要があることを説いています。後半では、複数人で協働しながら良いデザインを生み出す工程を広く紹介しています。少々読みづらいです。
Adobeのソフトウェアを使用した入稿データ作成の入門書。基礎知識から具体的な操作方法までがまとめて説明されていました。実際に作業するときに改めてお世話になりそうです。
いわゆる謎解きの中でも注意力に特化した問題集。汎用的な画像素材を使わずに手描きされた絵や記号がかわいいです。概ね楽しく読めましたが、似た問題が多いので、読み進めるにつれて満足感が薄れてしまいました。
注意力に特化した謎解き問題集の第2巻。収録されている問題のほとんどが第1巻の問題の類題でした。
ボードゲームについての雑誌。重量級作品が紹介されている点、綺麗な写真がついている点が長所だと思います。レビューに多くのページが割かれていますが、ネットでより多様なレビューを手軽に得られる以上、それらのページの価値は低いです。その合間にある、メカニクスやデザイナーに焦点を当てた読み物に魅力を感じました。
ステークホルダーにデザインを正確に伝える方法を紹介する書籍。ステークホルダー相手の会議(筆者は「S会議」と略している。)への望み方のみならず、日頃の人間関係の築き方まで記されていた点が印象的でした。本書で解説されるスキルは、ステークホルダーとコミュニケーションする者すべてが身に着けているべきものだと思います。
色彩検定で最も高い級の教本。3級や2級の教本と大差ないページ数でありながら、紹介する知識の専門性が上がっているので、個々の説明が浅くなった印象を受けます。
「心理的安全性」を国内に広めた著名な書籍。本文を短く平易にしながらも、注釈できちんと参考文献を示している点がありがたいです。中盤には動機づけに関連する話題があり、楽しめました。
著者2名の読書術をまとめた書籍。はたから見れば克己的にも思える貪欲な姿勢に驚かされました。著者も述べているように、読書術は十人十色なので、参考程度に。
書名の通り、ウェブに関わるフリーランスの働き方を紹介する書籍。仕事への向き合い方についてのページは、フリーランスでなくとも役に立ちます。
あとがき
今年も自分の読書法にいくつかの変化がありました。 まず、電子書籍よりも紙の書籍を多く買い、読むようになりました。 紙の書籍のほうが読書の習慣が安定するように感じます。 次に、さっと読む本とじっくりと読む本を区別できるようになりました。 これにより自ずと多くの本を読めるようになっています。
読む本が増えてきたので、来年は、購入した書籍の整理方法や読書の記録方法を改善できたら良いなと考えています。